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ドッグフードに鉄分は必要なの?摂るにはどんな物を与えたらいいの?

(本ページにはプロモーションが含まれています)

一般的に「鉄分」と聞くと血液(血流)の低下を抑える効果があるというイメージをもつ方が多いと思います。

それは人間だけではなく、イヌにも関係してくる話にもなってきます。イヌも体内の鉄分が不足すれば身体に影響が出てきます。

ただ鉄分を摂取することにあたって例えば、肉類は「レバー」野菜類は「ほうれん草」などのイメージがあり、それらの食べ物をイヌに食べさせて影響があるの?大丈夫なの?と考える方もおられると思います。

そこで今回は「ドッグフードに鉄分」は必要なことなのか?注意することは?について解説しますので参考にしてみてください。

目次

鉄分について

まず初めに「鉄分とは?」どんな成分でどんな役割があるのか?を解説します。

鉄分とは?

鉄分とは、体を健康に機能させるために必要不可欠な「金属ミネラル」のひとつになります。

犬も人間同様、体内の血液や各臓器などに存在します。

また、体内にある鉄分のほとんどはタンパク質と結合しており、そのタンパク質によって2種類に分けられます。

その2種類というのは「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」と呼びます。

 ヘム鉄とは?

鉄イオンがポルフィリン(ヘム)という有機化合物に包まれた形をした物のこと。

 非ヘム鉄とは?

鉄イオンがそのままの状態の物のこと。

というような意味合いがあります。

フード材料で例えると…

ヘム鉄は「肉や魚など動物性の食材」非ヘム鉄は「野菜・穀類など植物性の食材」に含まれています。

また、この2種類には他にも違いがあります。

ヘム鉄と非ヘム鉄の違い

ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類における一番の違いは、体内への「吸収率」です。

どのくらい違うのか?と言いますとヘム鉄は、非ヘム鉄に比べて5~6倍も吸収率が高いといわれています。

これは非ヘム鉄の場合、摂取後に腸管内で鉄イオンが、タンニンや食物繊維などによって吸収阻害を受けてしまうためと言われています。

しかし、非ヘム鉄でも「ビタミンⅭ」を一緒に摂ることによりその吸収率はかなりアップするといわれます。

ヘム鉄の方が吸収率に関して勝っている感がありますが、1つだけ弱点があります。

それは、ヘム鉄は加熱により「非ヘム鉄に変性してしまう」ということです。

ただ、動物性食材に豊富に含まれるヘム鉄が体内への鉄補給という目的に適していることは確かなのでそこまで気にしなくても良いと思います。

ヘム鉄の割合

すべてのフード材に含まれている鉄分がヘム鉄という形で存在しているわけではありません。

動物性の食材である「牛肉(約73%)豚肉(約67%)鶏肉(約46%)マグロ(約66%)」の割合で含まれています。

鉄分の役割

鉄分の主な役割を3つ解説します。

 1 酸素の運搬

体内全体の赤血球中にあるヘモグロビンという色素に鉄が結合し、酸素を送る働きをしています。

呼吸をすることにより摂りこまれた酸素は、鉄によって作られたヘモグロビンと肺で結びつき、全身に運ばれていきます。

そこで鉄分が不足すると酸素が体中にまわらなくなり、血液の流れが低下する原因になります。

※鉄分の存在部位とはたらき(%):赤血球が65%

 2 鉄分の貯蔵

一般的に「貧血にはほうれん草やレバーが効果的!」とよく聞きますが、これは鉄分がフェリチンというタンパク質と結合して肝臓に貯蔵されているためだそうです。

このことを「貯蔵鉄」と呼びます。

貯蔵鉄は血液中の鉄分が不足した際に、体内の貯蔵鉄から不足分が補われるようになっています。

※鉄分の存在部位とはたらき(%):臓器が30%

 3 酸素の貯蔵

筋肉は運動をするために多くの酸素を必要とします。そこでミオグロビンという色素タンパク質が酸素を貯蔵しています。

ミオグロビンとは:鉄の構成成分のひとつで、運動中に血液からの酸素供給が不足した場合の酸素ボンベのような働きを担っています。

※鉄分の存在部位とはたらき(%):筋肉が5%

鉄分が不足するとどうなる?

鉄分が不足するとどうなってしまうのか?について4つ解説します。

 1 歩行が不安定

犬も人間同様、鉄分不足になると血流の低下が起こりふらつきなどの症状が出てしまいます。

 2 免疫力の低下

免疫力は、外から侵入した細菌やウイルスなどを体から排除する防護システムのことを指します。

鉄分が足りないと体内に充分な酸素が送られず、免疫力もエネルギー不足となり機能の低下につながります。

 3 疲れや息切れを起こす

部屋の中でゆっくりしているのに、息を切らしぐったりした様子の場合は要注意です。

鉄分は体内に酸素を送る重要な役割を果たしているため鉄分不足の場合、犬の体内では酸欠状態になっている可能性が出てきます。

睡眠時間が著しく増えたり、体全体を動かし呼吸しているような場合には、動物病院へご相談をオススメします。

 4 毛のトラブル

鉄分は体内の細胞の働きにも関わっているため、不足してしまうとさまざまな臓器や器官に影響します。

被毛が「ボサボサになってしまっている」「ツヤがなくなってしまっている」という場合には鉄分の不足の可能性がありますのでチェックしておくのも大切です。

鉄分の含有量が多い食材

鉄分(ヘム鉄・非ヘム鉄)を多く含まれている食材について表にまとめていますので参考にしてみてください。

  ヘム鉄を多く含まれている食材 非ヘム鉄を多く含まれている食材
・馬肉(4.3ミリグラム)・小松菜(2.8ミリグラム)
・鹿肉(3.1ミリグラム)・ほうれん草(2.0ミリグラム)
・牛肉(2.7ミリグラム)・乾燥ひじき(6.2ミリグラム)
・豚レバー(13.0ミリグラム)・茹でた大豆(2.0ミリグラム)
・鶏レバー(9.0ミリグラム)・卵黄(6.0ミリグラム)
鉄分(ヘム鉄・非ヘム鉄)食材一覧

反対に動物性食材で鉄分が少ない食材は「豚肉(0.9ミリグラム)、鶏肉(0.6ミリグラム)」となります。

鉄分の吸収率

体内の血液低下には鉄分が必要とされていますが、ただ鉄分の含有量が多い食材を与えればいいということではありません。もう1つ大切なことがあります。それは「吸収率」です。

いくら鉄分を豊富に含んでいる食材でも、腸から吸収されにくい場合は効果が薄くなってしまうと言われています。

そこで「吸収率の高い食材」「低い食材」にわけて表にまとめましたので参考にしてみてください。

 吸収率が高い食材 吸収率が低い食材
・牛・豚レバー(13%)・野菜類(1~4%)
・肉類(23%)・ほうれん草(1%)
・魚類(8%)
鉄分の吸収率一覧表

ただ「ヘム鉄と非ヘム鉄の違い」で解説した通り、非ヘム鉄でも「ビタミンⅭ」を含む物と一緒に摂ることによりその吸収率はかなりアップしますので心配はないかと思います。

加熱処理の影響

鉄は「ミネラルなのでビタミンと違って熱によって壊れるという心配はない」と言われています。

しかし、吸収率の良いヘム鉄は熱の影響を受ける場合があると言われています。(例:牛・豚レバーなど)

ある調査で各種肉を170℃で30分間加熱した場合、加熱前と比較してヘム鉄の割合は「牛肉は約25%減」「鶏肉では約20%減」したそうです。

ただ、この場合ではヘム鉄の減少は「総鉄分の喪失」という意味ではないと言われています。

加熱によって鉄イオンを包んでいるポルフィリンが変性して、非ヘム鉄になったということになります。

そのため(加熱の条件(温度と時間)にもよりますが)動物性食材の場合、生肉はヘム鉄がキープされるため鉄分の吸収が良好であると考えられます。

愛犬の健康対策としてフード材料の鉄含有量と体内への吸収率、加熱など調理方法による影響についてもチェックしておくと良いでしょう!

犬の食事とレバー(肉類)について

ここまで「鉄分のことや食品のこと」などについて解説してきましたが、そもそも「愛犬にレバーを与えても良いの?」と感じる方も少なくないと思いますので解説します。

犬に食事としてレバーを与えても良いの?

レバーは犬にとって害となる成分が含まれていないため、愛犬の食事として与えても「大丈夫な食べ物」です。

さらに栄養価も高いので、愛犬の健康を促進してくれる働きも期待できるとのことです。

ただ、栄養が豊富なレバーでも与え方を間違えると反対に犬の健康を害する危険性もありますので注意が必要です。

与えても良い量は?

・小型犬:1~20g    ・中型犬:20~40g   ・大型犬:40g~適度g

食べた時の効果や影響

レバーには鉄分をはじめタンパク質ビタミンAB群などが豊富に含まれているため、これらの栄養素を効率よく摂取できます。

また、それぞれの栄養素が身体の健康維持としての効果も期待できます。

レバーの主な成分の効果

 1 鉄分

記事内の「鉄分とは?」を参照ください。

 2 タンパク質

タンパク質は体の筋肉や皮、臓器を作る上で欠かせない成分です。

不足すると健康面でさまざまな支障が起きることから、毎日継続的な摂取が欠かせません。

※レバー100gに対して「約20%」のタンパク質が含まれています。

 3 ビタミンA

脂溶性ビタミンであるビタミンAは「皮膚・目・骨」の健康を維持する働きがあります。

不足すると食欲不振や成長不良を引き起こし反対に過剰摂取すると肝臓に蓄積されるため、どちらかと言うと欠乏よりも過剰摂取の方に注意が必要です。

 4 ビタミンB群

ビタミンB群とは「ビタミンB1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチン」の8種類を含めたことを言います。

ビタミンB群はエネルギー代謝の補酵素を担う働きを持つため、いくらエネルギーとして働くタンパク質や脂質を摂取してもビタミンB群が不足していては意味がありません。

またビタミンB群は水に溶けやすい水溶性ビタミンなので、尿と一緒に排出されてしまう特徴があります。ビタミンB群は継続的に、そしてまんべんなく与える必要があります。

レバーには上記のような効果を得られますので適度な量を守って与えていきましょう。

与えるときの注意点

レバーは栄養価値の高い食べ物ではあります。ただ与え方や量を間違えると大変なことになりかねないので「与えるときの注意点」について3つ解説します。

STEP
加熱処理をして与えましょう

生レバーには、食中毒を起こす菌が潜んでいる可能性があるため、必ず加熱してから与えましょう。

加熱処理の目安としては「中⼼部の温度が63℃で30分間以上」または「75℃で1分間以上」温めましょう。

また生のレバーを触った箸を使わないなど、衛生面にも徹底して気をつけましょう。

STEP
量を少しずつ与えよう

レバーは香り高い食べ物なので、たくさん欲しがる愛犬もいるでしょう。

そこで、いきなりレバーを大量に与えると消化不良を引き起こす可能性があります。

年齢や体格に関係なく、少しずつ与えることを意識しましょう。

STEP
ドッグフードのトッピングとして与えよう

レバーには、コレステロールも豊富に含まれています。体に良い働きをもたらしてくれる栄養素ではありますが、過剰摂取すると肥満になる場合がありますので注意が必要です。

そこで、ドッグフードの「トッピング」として与える程度にとどめることも量を控える意味ではオススメできるポイントだと思います!

目安量はドッグフードの10%です。トッピングをのせたら、その分ドライフードの量も調整することを忘れずに行いましょう。

レバーは嗜好性の高い食べ物なので、一度与えてしまうと毎食欲しがる傾向があります。しかし、レバーにはタンパク質と脂質が豊富に含まれているため、肌に敏感のある愛犬や肥満気味の愛犬には与えることを控えましょう。どうしても欲しがる場合は、代替品がないか獣医師と相談してみると良いでしょう。

まとめ

以上で「ドッグフードの鉄分」についての解説でした。

イヌも人間と同様で様々な栄養を摂取して元気に過ごす生き物なので、間違った与え方や量などをしないよう理解して愛犬との生活に活かしてもらえれば幸いです。

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